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こちねこだより

  • 2020/09/04
  • 保護
  • 千葉市商業地区 保護猫保護活動の様子

こちねこへの連絡

818日、こちねこへ1本の電話がありました。

内容を聞いてみると、家の近所に野良猫が親子でたくさんいるのですが、どうすればいいかとの事でした。

電話の主に「どうしたいですか?」と尋ねると、「保護してあげたい。」との言葉。

その言葉で『一般社団法人こちねこ』は動きます。

 電話で詳しく内容を聞きました。

保護対象の猫は、親猫2匹、子猫7匹のようです。また、その周辺は商業地域らしく、事務所や飲食店が多くあるところ。

捕獲器を設置するにも誰かの土地をお借りしなくてはいけないと考えました。

依頼者を含め、外でも餌付けも行われているらしかったので、そのままいつもと同じように餌付けをしていて下さいとお願いしました。

それは、人間に慣れさせたままで捕まえる事が出来るからです。

依頼者からの普段の猫たちの画像を見せていただいたところ、かなり人馴れしている様子で少し安堵しました。

 

現地調査へ 

依頼のあった日は時間が遅かったので、次の日に現地を視察する事にしました。

依頼者と共に、まずは猫たちが普段遊んでいる場所を確認。捕獲器を使用するならどの場所に置くか考えます。

その場合、土地の持ち主に設置の許可をもらわないといけません。

猫たちが遊んでいるところで設置できそうな所に商業ビルありました。その1階にある事務所に捕獲器設置の旨を申し出たところ、「実はいつも心配していたんですよね。子猫たちが道路に飛び出さないかとヒヤヒヤしていました。保護してあげられるのならいつでも設置してください。協力します。」と快いお返事。

とても心配そうな顔をしておられました。優しい人なんだなと思いました。

そしてまさかの言葉。「となりのカレー屋さんがもしかしたら餌をあげているかも。」

 

(・・・これはいい予感・・・)

 

事務所の方にお礼を言いインドカレー屋さんへGO

お店に入ると、店主ご夫妻と思われる方がおりました。

 

テーブルに付くでもなく、いきなり猫たちの事を話し始める私達に驚ろかせてしまったとは思いますが、信用してくれたのか話しをして下さいました。

「いつも可愛そうだからご飯あげてる。でもうちで飼ってるわけではないよ。子猫は9匹いるよ。」と。あれ、子猫の数が聞いてたより多いな。

保護する事を話しすると、やはり先程の事務所の方と同じく心配していたとの事。人生の皺を刻まれた慈悲深い顔で少しずつお話くださいました。

「飲み物作るから飲んでいって。」そう店主は奥に行き、奥さんはお話しを続けて下さいました。

しばらくして店主が美味しそうなラッシーを持ってきてくれました。そして・・・あ、あれ・・・!!!

店主の後ろから保護対象の親猫がくっついて来ました!

店主の足元にからまるようにして、まるで日常の様に猫がお店にやってきました。

人懐こそうな猫の表情、仕草。捕獲器を使わないで済むかも。

 

私は捕獲器があまり好きではありません。どうしてもという時は使いますが、なるべくなら使わないですむ方法を探します。

今回考えていたのは、まず人馴れしている子猫を捕獲。段々と警戒してくるだろうから捕獲器を併用して子猫を捕獲。最後に親猫を捕獲という手順でした。

その考えは大きく変わる結果になりましたが・・・。

 

保護1日目

インドカレー屋さんから詳しくお話しを伺い、そしてその晩に捕獲を決行する事にしました。

19日夜11時、現地へ向かいます。依頼者はすでに到着していていつもの餌付けをしようとしているところでした。

しばらく様子を見ていると、夕方インドカレー屋さんに現れた親猫が現れました。

あたりを警戒しているようでしたが少ししてから4匹の子猫がやってきました。見たところ、2ヶ月から3ヶ月くらいです。

依頼者に親猫の気をそらせてもらい、子猫には最強武器のチュールをあげながら警戒心を少しずつ取り除き、ここだというところで抱っこしながら駐車していた車に入れていたゲージに入れる。それを4回繰り返しました。

親猫がよほど依頼者に懐いていたのか、スムーズに事が終わりました。

ここで粘っていても警戒されるだけと判断し、その日は捕獲作業を終わることにしました。

 

ちょうどインドカレー屋さんが店を閉めたようで、ご夫妻が心配しながらこちらに近づいて来ました。

「どうぞ猫たちを幸せにしてあげて下さい。親猫の避妊手術は私達が出したいと思いますので、出来れば親猫はここに戻してあげて下さい。」と少し悲しそうな顔をして言いました。

 

私も親猫は手術後戻すのが一番だと思っていました。

情報だとあと子猫5匹、親猫2匹・・・。

絶対もれなく保護するぞ!

 

保護2日目 

開ける20日、ここが正念場です。

ここで失敗すると親猫は子猫をどこかに連れて行ってしまう可能性があります。

昨夜の親猫も警戒して出てきてはくれないだろうとも考えていました。

ここは人数が必要。そこで登場したのが・・・

保護猫アイドルQvQのメンバーです!

3人と合流し、依頼者も待つ現地へいざ!

 

昨夜より少し早い10時半、依頼者はすでに現地におりました。猫たちが全然出てこないとの事。これはまずいな・・・、そう思いました。

QvQメンバーにも周囲の状況の確認を指示、 すると影も姿も無いという報告。

まだインドカレー屋さんは開いている時間。相談をしに行くことに。

するとご夫妻の他に、3人の方がおりました。そこには親猫の姿も!

インドカレー屋さんの、「捕まえる?」

その言葉を聞いて、メンバーと共に車に積んでいたゲージを全て取り出し急いでお店へ戻る。このチャンスは逃してはいけない、逃したら後がない、そう思いました。

 

お店に戻るとインドカレー屋さん5人がそれぞれ親猫、子猫を大切そうに抱っこしておりました。

そう、これが捕獲の手順が大きく変わるという事でした。

愛情を持っての餌付けは本当に大切なものなのだと改めて考えさせられました。

 

保護猫は、親猫2匹、子猫9匹。

親猫2匹は避妊手術の後にインドカレー屋さんにお届けいたしました。

9月2日現在、子猫9匹のうち、4匹は新しい里親さんのもとへ行っております。

お見合いの予約も入っておりますが、今のところ子猫5匹ですくすくと育っております。

優しい里親さんが迎えに来るのを待って。