• 2021/03/31
• こちねこびより第5号

朝晩も冷え込むこともなく（関東ですけど）本格的な春です。
お花見も自粛ムードですが、心の中だけは晴れやかにいきたいものですね。

皆様におかれましても、きっと春のような穏やかな心であると思っています。

 

さて今回は、この時期ならではの出産を控えた猫たちのお話をしたいと思います。

発情期も終え、ひと段落して町中が静かになりましたが、これから猫たちの出産シーズンが始まります。
こちねこにも一昨日、妊婦猫さんがやってきました。
まだ来ていませんが、他にもあと2組予約が入っています。
それぞれ捕獲器を貸し出していますので、時間の問題かなー。

 

こちねこでは、去年母猫を保護し、無事出産。
２か月半で母猫が育児放棄をしてしまったため、その後は人間の手で育てました。
母乳ってとても大事で、初乳ももちろん大事なのですが、
離乳前の、ちょうど２か月半くらいの時の時の母乳もとても大事なのです。
子猫たちに色んな免疫を授けるのがその頃の母乳なのです。
なので、あまり早く母猫から離したり、無理に離乳をすすめるのは子猫にとってあまりよくありません。

実際、こちねこで育児放棄された子猫たちは、よくお腹を下していました。

今はそれぞれ優しい里親さんのもとで、元気にしております。

今現在、こちねこで保護している赤ちゃん猫もおります。
ツイッターでも話しておりますが、少し詳しくお話しします。

 

それは、今年の3月11日、地震のあった時間に合わせて全国で黙祷している時に産まれた赤ちゃん猫です。
黙祷している時に庭の方からか細い鳴き声が聞こえ、外に出たら2匹のへその緒が付いたままの赤ちゃん猫が植木鉢の中に。
驚いた家人がそのまま保護してこちねこに電話をかけてきたのでした。

想像するに、産気づいて住処に帰る途中で産んでしまったのかなと。
生後30分ほどでの出来事でした。

今回のケースは正直初めてでしたので、赤ちゃん猫を預かって、すぐに病院に電話をして指示を仰ぎました。
すべきことはまず
・とにかく暖める。
・体温が上がってきたらミルクを与える
でした。

病院に連れてきても、同じような事しか出来ない。
時間がもったいないので頑張って下さいとの事でした。

保護依頼者の家からは車で5分ほどの距離でしたので、すぐに施設に戻って暖めました。
片手に乗せても間に合うほど小さな2匹の身体。
片手で暖め、片手はホッカイロの袋をやぶり、そしてタオルに包んで手の温度とホッカイロの熱で暖める。
ぐったりしていたのが少しずつ動き出すようになり、そして鳴き声も出すようになりました。

そのころ、タイミングよく、あらかじめ電話で手配をした哺乳瓶とミルクが届きました。
急いでお湯を沸かし、ミルクを作って口元に。
「おお！飲んでる飲んでる！」

本能は、生命は素晴らしいものだなと、あらためて思いました。
言葉も何も通じない中で、この本能が無ければきっと生命を繋ぐ事が出来なかったと思います。

まあでもそれからが大変でした。
今はミルクボランティアを引き受けてくれた身内の隊員が頑張ってくれていますが、
「ミルクの合間の短時間、化粧を忘れて外に買い物に出てしまう」と言っておりました（笑）
そうです。２時間おきとかでミルクをあげないといけないんですよね。
大変だけど、その大変さは子猫の生命に直結するんですよね。

 

さて、もとの話題に戻しますが、今いる母猫が早く出産しないかなと思っています。

何故なら・・・

産まれた赤ちゃんの頃合いを見て、今いる赤ちゃん2匹を混ぜちゃおうと思っています！

母猫って、知ってか知らずか結構他の子猫も育ててくれるんですよね。
もちろんあまり早く混ぜるのは危険ですが、ある程度したら大丈夫なものです。
こちねこで出産した三毛母さんも、自分の4匹の子の他に2匹の子に母乳をあげていましたから（喜）

 

最後になりますが　動物病院の先生のアドバイスを。

今回の様に、生まれたばかりの赤ちゃん猫を見つけた場合、出来ればその場から離れて下さいとの事でした。
母猫が間に合わずに産んだとしても、大体の場合は後から迎えに来るそうです。
例えばこの季節、半日程度なら赤ちゃん猫も耐えられるとの事。
人間が触れる事によって、その匂いが付いた場合、また人間が近くで見守ってたりすると迎えに来れない。
可愛そうだと思ってする行為が、母猫と赤ちゃんを引き離す事もあるんですよとの事でした。

実際にその場に出くわした場合、平然とした心でそういう対応が出来るか私自身もわかりません。
しかし知っておくことによって、いざとなった時に適切な行動がとれる可能性が高くなると思います。

みなさんも、いざとなった場合、思い出してくださいね！

 

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